今シーズンのPCCJは昨年同様4月に岡山国際サーキットで幕を開け、6イベント全11戦が開催される。第3戦、そして「モービル1チャレンジ」となる第4戦は、SUPER GT第2戦の併催レースとして全長4.563kmの富士スピードウェイで行われる。富士は、約1.5kmのメインストレートとタイトなコーナーが連続するテクニカルセクションを持ち合わせ、ハイスピードバトルとコーナリング勝負の両方が展開される。その中でも注目したいのが、最終コーナーの立ち上がりからの加速がカギとなるメインストレートでのエキサイティングなオーバーテイクシーン。また、メインストレートから第1コーナーに進入していく際のブレーキング勝負も見逃せない。とくに今年は、パワーアップしたタイプ991第2世代のニュー911 GT3 Cupが導入され、ダイレクト・フューエル・インジェクション(DFI)やアンチロック・ブレーキシステム(ABS)の採用などで効率性、安全性ともに向上しているため、今まで以上に迫力ある戦いが繰り広げられるだろう。
3月に富士スピードウェイで開催されたPCCJ合同テストでは、多くのドライバーが新しい911 GT3 Cupのシェイクダウンを行い、マシンの感触を確認していた。各チームが特に念入りにチェックしていたのがブレーキングポイントだ。新たにABSが採用されたため、各コーナーで試行錯誤のトライを繰り返していた。そのような状況下、2014年と2016年のPCCJジェントルマンクラスチャンピオンである#7 星野 敏が、PCCJの富士コースレコード1分42秒087に迫る1分42秒139を記録しており、5月のレースではさらなるタイムアップが予想される。
ドライバーで注目を集めるのは、第1−2戦の岡山大会で活躍したPCCJジュニアプログラムドライバーである#18 上村優太と#19 片山義章の二人。今年初参戦の#19 片山は、第1戦で雨が降り出す中スリックタイヤで勝負に出て大逆転し、見事にデビューレースで初優勝を成し遂げた。#18 上村は予選で岡山のPCCJコースレコードを更新、そして2戦連続でのポールポジション獲得とPCCJジュニアプログラムドライバーとしての実力をアピール。レースは第1戦が2位、第2戦では予選で記録したタイムを上回るニューコースレコードをマークしてポール・トゥ・ウインを飾った。この若手ドライバー2人の前には、昨年PCCJ初のオーバーオールとジェントルマンクラスのダブルチャンピオンを獲得した#9武井真司、2016年のPCCJシリーズチャンピオンである#78 近藤翼、#7星野らがライバルとして立ちはだかる。各ドライバーは富士合同テスト、岡山大会を通じてニューカップカーにも乗り慣れてきているだけに、さらなるタイムアップにより富士のPCCJコースレコード更新は大いにありうる。
一方のジェントルマンクラスは岡山大会で、PCCJ初参戦の#20 鈴木宏和が2戦連続でクラス・ポール・トゥ・ウインを飾った。実力が拮抗している中での2連勝だけに、富士でどのようなパフォーマンスを見せるのか注目される。そのライバルは、第1-2戦で表彰台を獲得した2013年ジェントルマンクラスチャンピオンの#2 田島剛、#32 永井秀貴、#98 IKARIなのか、第1-2戦の屈辱に燃えるドライバーたちなのか。新規参戦のドライバーの実力も高く、例年以上に熱きバトルが展開されるはずだ。
PCCJ第3戦と第4戦 モービル1チャレンジ 富士大会のスケジュールは、専有走行が5月2日(水)9時00分〜9時25分、12時00分〜12時25分の2セッション。予選は5月3日(木・祝)11時00分〜11時30分の予定で1回のみ。そして15周で競われる決勝レースは、第3戦が3日(木・祝)16時00分、第4戦 モービル1チャレンジ が4日(金・祝)12時00分にスタート予定となっている。