今シーズンのポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)は、岡山国際サーキットで幕を開け、富士スピードウェイで3イベント、鈴鹿サーキットで1イベントと、5イベント10戦が行われてきた。そして最終戦となる第11戦は、モータースポーツの最高峰であるF1日本GPのサポートレースとして鈴鹿サーキットで開催される。PCCJがF1サポートレースとなったのは2007年のエキシビジョンレースからで、翌2008年より正式にシリーズの一戦に組み込まれ、今年で11年目を迎える。全長5.807kmの鈴鹿サーキットはテクニックが問われるドライバーズサーキットと呼ばれ、F1ドライバーからの評価も高いサーキットとして知られている。
最終戦を迎えるにあたり第10戦までを振り返ってみると、第1戦は今年初参戦のPCCJジュニアプログラムドライバーである#19 片山義章がスタート時に雨が降り出す中スリックタイヤで勝負に出て、大逆転でデビューウィンを飾る。第2戦は、レース中に岡山のニューコースレコードをマークしたもう1名のPCCJジュニアプログラムドライバー、#18 上村優太がポール・トゥ・ウィンを成し遂げる。そして第3戦以降は、2016年のPCCJシリーズチャンピオンである#78 近藤 翼と#18上村の一騎打ちが展開された。富士大会の第3戦は#78 近藤が制すると、第4戦は#18上村が優勝。鈴鹿大会の第5-6戦は#78近藤が2連勝を飾り、富士大会の第7戦は#18上村、第8戦は#78近藤と各1勝をマーク。そして、富士大会の第9-10戦では#78近藤が2連勝を飾り、第10戦までの勝利数は#78近藤6勝、#18上村3勝、#19片山1勝となっている。しかし第10戦は、スタート時のアクシデントでレースが規定周回数の50%未満の消化となり、レギュレーションでレースポイントなしと裁定された。これによりシリーズポイントは、ランキングトップの#78 近藤が178点、ランキング2位の#18 上村が164点と、2人のポイント差は14点で最終戦を迎える。
現在のポイント差から、#78 近藤は#18 上村の前でフィニッシュすれば、自身2度目となるシリーズチャンピオン戴冠となる。ライバルの#18 上村が逆転チャンピオンを獲得するには、近藤に15点差以上の順位でフィニッシュする必要がある。つまり、#18 上村が優勝(20点)した場合は#78 近藤が11位(5点)以下でゴールした場合に限られる。条件としてはかなり厳しいが、#18 上村は第5戦鈴鹿の予選でコースレコードとなる2分4秒194をマークするなど速さを見せているだけに、チャンスは残されている。そして若手ドライバー同士の対決に絡んでくると予想されるのが、昨年PCCJ史上初となるオーバーオールとジェントルマンクラスのダブルチャンピオンに輝いた#9 武井真司、14年と16年のジェントルマンクラスチャンピオン#7 星野 敏のベテランドライバーである。
ジェントルマンクラスは、今シーズン初参戦の#20 鈴木宏和が第10戦までに7勝と174点を獲得して、現在ランキング2位の#98 IKARIに37点差を着け、すでにチャンピオンを確定させている。そしてランキング2位争いは、今シーズン第7戦でPCCJ初優勝を飾った#98 IKARIが137点、13年同クラスチャンピオンで第4戦優勝者の#2 田島 剛が128点、15年同クラスランキング2位で第3戦優勝者の#25 内山清士が121点と3人で展開されている。もちろん実力伯仲のジェントルマンクラスだけに、彼ら以外にも表彰台獲得のチャンスは充分にあると言える。
F1日本GP一色に彩られた鈴鹿の大舞台には全20台が出場予定となっている。PCCJ2018シリーズを締めくくる最終戦は果たしてどんな結末を迎えるのか注目される。
PCCJ第11戦 鈴鹿大会のスケジュール(予定)は、専有走行が10月5日(金)11時55分〜12時40分、予選は10月6日(土)10時45分〜11時15分で、決勝レースは10月7日(日)11時10分スタート(10周)となっている。