Porsche GT3 Cup Challenge Japan第10戦(最終戦)の決勝レースが午後3時58分から行われた。スターティンググリッドは同日行われた第9戦決勝レースのベストラップをもとに決定。ポールポジションは、前戦を5位で終え、シリーズタイトルを手にした#86 福田幸平が獲得。「第10戦のことを考えて、その前の第9戦はあえてファステストラップ狙いに切り替えました」(福田選手)。2番手スタートの#5 トライナカオ、3番手の#77 MUSASHI選手、4番手のMasa TAGA選手、5番手の#32 永井秀貴選手など、第9戦でトップ争いを演じた強者たちが、福田選手の優勝を阻もうとする構図となった。
太陽が富士山の陰に隠れ、急に肌寒くなった富士スピードウェイでスタートした第10戦、今季3度目のポールポジションの福田選手が先頭で1コーナーに駆け込むと、さらにナカオ、MUSASHI、Masa TAGA、永井の各選手が順に続く。いつ、どこでバトルで起こっても不思議ではない状況で、まず動きを見せたのが永井選手だった。1周目のダンロップコーナーでMasa TAGAをパスして4位、さらに3周目のストレートでMUSASHI選手をオーバーテイクし3番手に躍り出る。そして同じ周のダンロップコーナーで、ついに2位のナカオ選手に迫ることに。
前戦でも2位争いを演じた2台が、再び2位をかけたテール・トゥ・ノーズのバトルを開始。永井選手は何度かナカオ選手の横に並ぶが、オーバーテイクするまでには至らない。この間に、ポールポジションスタートの福田選手は後続との差を広げ、優勝へと近づいていく。
終盤には2位争いにMasa TAGA選手が加わり、永井選手とサイド・バイ・サイドの争いを演じる。ナカオ選手とMasa TAGA選手の間に挟まれ厳しい状況が続いた永井選手は、9周目の1コーナー出口でスピンを喫し、Masa TAGA選手と接触。これで2位を走るナカオ選手が一気に楽になった。3位に浮上したMasa TAGA選手だったが同じ周のプリウスコーナーでオーバーラン。すかさずMUSASHI選手が3位にポジションアップした。そしてレースはファイナルラップを迎え、福田選手がポール・トゥ・ウィンを達成し、チャンピオンにふさわしい走りでシリーズを締めくくった。
カップクラス カテゴリーⅡは#50 須崎弘一郎が#31 小川勝人選手に約4秒の差をつけ2連勝を果たしている。
Porsche GT3 Cup Challenge Japanはこれで2016年シーズンの全レースが終了。シリーズチャンピオンは、カップクラス カテゴリーⅠが福田幸平、カップクラス カテゴリーⅡは小川勝人、オープンクラスはテルオの各選手に決定した。
シーズンを通じて、参加選手のレベルアップが図られただけに、来シーズンはさらにエキサイティングなレースが期待できそうだ。
優勝してシリーズを締めくくりたいと思っていましたので、前の第9戦ではポールポジションを狙っていました。スタート直後から後続がやり合ってくれていたので、危なげなくラップを重ねることができました。ただ、気が緩むと何が起こるかわからないので、最後まで安定したタイムを刻むことに専念しました。そのかいあって、良い展開でレースを終えることができました。
第9戦よりも大変なレースでした。こんなに激しいのは初めてです(笑) 8周目くらいまでずっとバトルをしていましたからね。「もうあかん、もうあかん」と思いながらなんとか頑張りました。9周目、永井選手に横に並ばれてしまいましたが、その後に彼がスピンしてくれて、やっとラクになりました。予選まではセットが決まらなかったのですが、最後に決まったのと、前へ前へという気持ちで集中したのが良い結果につながりました。
3位は大満足です。前を走る人たちがいなくなってくれたおかげで表彰台に登れました(笑) 2位争いのバトルは疲れましたが、いつか崩れるだろうと観客のように見ている自分もいましたね(笑) シーズンが終わりに近づくにつれてセッティングが良くなってきて、速く走れるようになってきたという感じです。
なんとかプランどおりにレースを進めることができたので、良かったですね。このレースは中古タイヤで走ることから第9戦よりも辛くなることがわかっていましたので、それにあわせてセットを考えたり、レースを組み立てなおしたりしたのが、うまくいきました。今シーズンからの参戦でしたが、楽しくレースができましたし、自分なりに上達しているのも実感できたのが良かったと思います。
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